感情的判断で狂わされている日本の国民

 もちろん、ここまではあくまでも私の仮説である。ただ、この仮説が正しいとすれば、安倍首相も北朝鮮にとっては、首相であり続けてほしい存在だということになる。

 実際、今回の森友学園事件を含めて、安倍政権がマスコミの批判の矢面に立たされているときに限って、北朝鮮が核実験やミサイルの発射実験を行い、マスコミはそちらのほうばかりを取り上げる。そして、安倍内閣の支持率が上がるということが繰り返される。あるいは、選挙の直前になるとわざわざ北朝鮮がトラブルを起こし、安倍自民党の得票が伸びる。先日も、ある勉強会に出たのだが、歴代何人もの首相番をしていた元政治記者(現在は定年で退社している)の現政治評論家の人が「偶然の一致と思えない」と嘆いていた。

 前述のように強硬派の首相がいるときのほうが、危機をあおりやすい。加えて、北朝鮮内部で経済立て直し派と軍事優先派(以前はその対立があったそうだが、今は軍事優先派が圧倒的に強いような気がするが)の対立があるとしたら、韓国や日本の指導者が軍事優先派の人のほうが支持を得やすいだろう。韓国で融和政策を行うと主張している指導者が選ばれたばかりのタイミングでわざわざミサイルを発射するのだから、そういう計算がある可能性はそれほど小さくない。

 ひょっとしたら、北朝鮮の人は安倍氏が首相であるほうが日本が衰退すると思っているのかもしれない。自国通貨が安くなることがどれだけみじめなことかが身に染みている彼らにとっては、日本が円安政策を採っていることは、自国を弱体化させているように見えているのかもしれない。円安政策や金融緩和でダメな会社を生き残らせながら、円高でも勝負できるような産業を育成できず、税収が増えても、それ以上に金を使って、借金を膨らませるような人間が首相でいたほうが、反日の国民や政治家にはうれしく思えるのかもしれない。

 日本に平和憲法を改正してもらったほうが、北朝鮮で日本の脅威をあおりやすいのかもしれないし、平和憲法を持つ日本という国が目障りなのかもしれない。あるいは、日本が野党という選択肢がない一党独裁の国のようになり、その党の中で一人の指導者が圧倒的に強く独裁者のようになっている国になることで、北朝鮮は自分たちを正当化するのに役立っているのかもしれない。