トランプ対策は米地方新聞でのPRから

 安倍首相とトランプ大統領の直接の会談で、安倍首相は異例の厚遇を受け、今後も継続的に会談を行うことが確認された。これによって安倍氏の支持率も上昇している。私が見るところ、トランプという人は、非常に自分をよく見せることがうまい人だ。トヨタ自動車を含め、いろいろな会社に過激な発言を行ったり、要求を行い、結果的に譲歩を引き出し、米国人の雇用が増えたように見せるという常とう手段を行っている。

 失業率が上がったり、トランプ人気にかげりが出るたびに、安倍氏なり外務大臣なり、経産大臣などが呼びつけられ、その場で譲歩を勝ち取り、それを大々的にトランプの人気取りに使われるのではないかが心配だ。

 米国に進出している日本メーカーなどの動きを見ていても、自らの正当性のアピールが少な過ぎるのではないか? 日本企業がどれだけの雇用を生んでいるか。日本は不公正な関税を取っていないし、アメリカ車が売れないだけで、ヨーロッパ車は売り上げを増やしているなどと日本国内で報じられることが多いが、米国人にそれを知ってもらう努力が足りないようにしか思えない。

米国進出企業は、地道に現地の新聞などで意見広告を出し続けて、日本が雇用を生むことをPRすることが大切だ。(写真:©adrianhancu-123RF)

 インテリ層が読むニューヨークタイムズやウォールストリートジャーナルだけでなく、地方に行くと人口5万人くらいの都市でも、一紙独占のような地方新聞がたくさんある。それを購読すると、広告にクーポンがついてきて、安くものが買えるから、意外に地方では新聞離れが起きていない(ある程度は起きているが)。決して広告料も高くないから、地道にそういう新聞に意見広告を出し続けて、日本が雇用を生むことがあっても奪うことがないとPRすることが大切だろう。

 従軍慰安婦問題にしても、朝日新聞の誤報が判明した際の対応は見ていて情けなかった。日本国内では朝日叩きに終始していたが、これが誤報であったというPRを肝心の海外でやっていない。だから、誤報であることが分かっても、ほとんど日本のイメージが改善していない。

 米国で従軍慰安婦問題をこれだけ人々が注目するようになったのは、韓国がデモ活動をずっと続けてきただけでなく、同国のお金持ちが寄付をし、地道に米国の新聞に意見広告を出し続けたからだという話を聞いたことがある。少なくとも、一朝一夕で米国の世論を味方につけたわけではない。こうした可能性も想定し、韓国の言いがかりと怒る前に、日本の金持ちも米国でのPRにお金を出すべきだろう。