テレビ番組の二分割思考に注意しよう

 さて、もとの話題に戻るが、どうしてもテレビというメディアは、キャッチーであろうとしたり、分かりやすさを求めたり、時間的な制約があるために二分割思考に陥りやすい。それが視聴者の判断に大きな影響を与える。例えば、舛添氏が悪人で、小池氏が善人という二分割思考でものを考えると、舛添氏のいい点が見えなくなるし、逆に小池氏の問題点が見えなくなってしまう(現職なのだから、これはまずいだろう)。

 舛添氏は、こういう点では問題はあるが、こういう功績もあるという見方をするほうが、少なくとも認知療法の考えでは妥当だ(私に言わせると、お金の問題より、ほとんどこれが見当たらないことのほうがよほど問題だが)。もちろん、小池氏についても同様だ。小池さんのやることは何でも素晴らしいと思っていると、オリンピックや豊洲以外に都政に山積している問題点が見えなくなる。現実には介護難民のほうが私にははるかに喫緊の課題に見えるが、そういう話になかなかなっていかない。

 トランプ氏にしても、不思議なくらい熱狂的な信者のような人と、完全にこきおろす批判者に分かれ、中間の人があまり目立たない気がする。このためにアメリカが二分化したとさえ言われる。社会派監督で知られるオリバー・ストーン氏は、「トランプ氏には問題点も多いが、戦争でものを解決しようとしないのは評価できる」というような発言をして注目された。このようなものの見方ができると、良い点も悪い点も両方とも想定できるという点で、認知科学では認知的成熟度が高いとみなされる。

次ページ 白黒をつけず、グレーの程度でものを見る