米国は五輪に税金を使わない

 2024年の開催都市となったとしても、米国は五輪開催のために国家や自治体が援助することはあり得ません。米国は1976年の冬季デンバー五輪を招致した際に、「招致の決定時(1970年)と話が違う、金がかかり過ぎる」として返上したことがあります。1984年のロス五輪も、開催の条件は「絶対に税金を使わないこと」でした。実際、五輪のために税金使用を禁止することを同市が法制化するほどの徹底ぶりでした。

 次回に招致した場合も、すべて既存施設で賄うのはもちろん、徹底した経費削減を行い、正真正銘コンパクトな五輪になるのでしょう。また前回のように、スポーツビジネスの新時代を切り開くようなイノベーションにも期待したいところです。

 この2024年五輪の招致レースが示しているように、五輪は大きな曲がり角に来ています。あまり知られていないことですが、2022年の冬季五輪の招致に立候補したのは北京とアルマトイ(カザフスタン)の2都市のみで、北京が五輪史上初めて、夏冬の両方を開催する都市となりました。

 五輪の競技が感動を生むのは間違いありませんが、そのために失う富があまりに大きいことも間違いないことが、今や世界の常識となってしまいました。そうしたなかで、東京2020大会はやって来ます。

 先に記した通り、今後も大会関連経費は間違いなく膨らみ続けますし、宴の後では、仮設の施設には解体費用が、恒久施設には維持運営費用がかかり、長い間、都民の負担となり続けることでしょう。といっても、アメリカ人のように「や~めた」とは言えませんよ、私たち日本人は…。「しょうがない」は「こんにちは」と並んで、欧米のビジネスマンの間で有名な日本語ですからね。

 結論としては、「かくすれば かくなるものと知りながら やむにやまれぬ大和魂」(吉田松陰)ということになるのでしょう。