「舌出し」のリラックス効果でプレーが冴える

 これは記事で知った追加情報だが、今シーズンのメジャーリーグでアメリカンリーグのMVPに輝いたヒューストン・アストロズのホセ・アルトゥーベ2塁手も「舌」を出して打っているとのこと。

 アルトゥーベは身長167センチにもかかわらず今シーズン史上5人目となる4年連続200安打を達成し、去年に続いてアメリカンリーグの首位打者(3割4分6厘)と最多安打(204本)も獲得している。

 日本人並みに小柄ながらメジャー屈指の強打者だ。そのアルトゥーベも「舌」を出しているとなると、それが強打者の絶対条件とは言えなくとも、マネをしてみる価値は十分にありそうだ。

 清田も、大学、社会人で活躍したスラッガーだ。プロ入り後の2015年には3割1分7厘をマークし、本塁打も15本放っている。今もロッテを代表する右バッターだ。しかし、ここ2年間は調子を崩し2軍落ちも経験している。何かを変えなければ…と模索している時に、内川の「舌出し」を見つけた。

 私が「舌」を出す選手に注目して、その効用を考えていたのは90年代のことだ。NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダンがいつも「舌」を出してプレーしていたからだ。彼の代名詞「トリプルアクセル(空中で3回のフェイクを入れる)」からダンクシュートを決める時にも、空中で大きく口を開け「舌」を出しながらゴールのリングにボールを叩き込んでいた。

 彼に会った時に「なぜ舌を出すのか」と聞いたことがあるが、彼のおじいさんに「舌を出すとよいプレーができる」と子供の頃に教わったからだと言っていた。

 それは前述の清田のコメントの通り、舌を出すと奥歯を踏ん張らないので、上体の力が抜けてリラックスした状態でプレーできるからだろう。バスケットボールは視野を広くして、瞬時に臨機応変に動く必要がある。華麗なドリブルからパスを出すのか、自分でカットインするのか、いずれにしても求められるのは柔軟な対応力だ。それが舌を出すことで助長される!?

 日本を代表する守備の名手、広島東洋カープの菊池涼介選手(27歳)が常にガムをかみながらプレーしていることも、彼の芸術的なプレーと無関係ではないだろう。ガムをかむことで口元が緩み、上体のリラックスを生んでいるはずだ。

 またかつては、つまようじをくわえながらプレーする野球選手もいた。つまようじをくわえると、もちろん奥歯をかみしめることはできない。

 ガムやつまようじの効用には、舌を出すことと同じような効果があるのだと思う。

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