東京五輪後は医学部受験に専念
今後、競技環境が変わる彼女にとっては、こうした賞金も大きな支えになることだろう。というのも、朝比奈選手は今年9月いっぱいで東海大の柔道部を退部している。今後は東海大に在学しながらも、フリーの立場で世界を舞台に戦っていくというのだ。
その理由については「強化方針に対する考え方の相違がある」との報道もあるが、彼女が将来的に医学部を目指していることに起因しているのではないかと私は思っている。
朝比奈選手に初めて会ったのは、彼女が渋谷教育学園渋谷高校の柔道部に在籍している時だった。同校は柔道の名門校であるが、それ以上に学業優秀な進学校として名を馳せている。当時から超高校級の活躍を見せていた朝比奈選手だが、勉強も抜群にできるということだった。両親が医者なので、彼女もいずれは医者になりたいと当時から話していた。
将来を嘱望されていたのは柔道だけでなく、医学の道に進むことにおいても周囲の期待は高まっていたのだ。
しかし、これだけの才能を柔道界が放っておくはずがない。東海大に進学して名門柔道部に籍を置き、まずは日本代表として柔道に専念する日々を選んだのだ。
ただ柔道部を退部したこれからは、個人で練習を続けながら2020年東京五輪への出場を目指し、五輪後は医学部への進学を目標にすると言う。そのために勉強する時間もしっかり確保したい。それがフリーになった一番の理由のようだ。
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