MLBコミッショナーもダルビッシュを絶賛

 MLB(メジャーリーグベースボール機構)もこの事態を見逃すことはなかった。早速グリエルに対する処分が決まった。

・来シーズン開幕からの5試合出場停止
・今シーズン終了後に感受性訓練を受ける
・アストロズ球団は、グリエルの出場停止5試合分の給料をチャリティーに寄付する

 どう見ても非常に寛大な処分である。莫大な罰金や長期の出場停止が課せられてもおかしくない行為だ。

 これについてMLBのマンフレッド・コミッショナーは「たぶん選手としてできる最上級の方法で彼は対処したと思う」と語り、ダルビッシュの意をくんでグリエルのワールドシリーズ4戦目以降の出場も可能になった。そして全米のメディアも「ダルビッシュがグリエルを救った」とその対応を絶賛した。

 グリエルは、自分の行ったポーズが差別的であることを知らなかったと言い、謝罪の声明を出した。

 「私の行為で傷つけられた、すべての人に心から謝罪します。深く後悔しています」

 これでこの一件は終わった…とすべきだろう。それがダルビッシュの望むところでもあるはずだ。グリエルも反省している。

 ただ、グリエルの行為は忘れても、ダルビッシュが見せた品格ある対応と高邁(こうまい)な精神を失ってはいけない。

 こうした事態をどう考えて、どう対応したら良いのか。ダルビッシュが投げ込んだど真ん中のストライク。世界中に素晴らしい模範を見せたのは、日本が誇る右腕だった。