骨折した4番・鈴木をエルドレッドが「おんぶ」

 去年に続き今回も広島の優勝については語るべきことがたくさんあるが、私が最も感心した光景は、優勝を決めた後のちょっとしたシーンだった。

 それは多くのスポーツ新聞も写真で掲載していた場面だが、足首を骨折した鈴木誠也を野間峻祥と西川が両肩を抱いてレフトスタンドへ挨拶するために外野まで運び、その帰りにはエルドレッドが鈴木誠也を「おんぶ」して戻ってきたシーンだった。

 エルドレッドが誠也を背負い、それを菊池やジャクソンが手伝っている。外国人選手も一緒になった「一体感」が伝わってくるシーンだった。鈴木誠也の足はまだ大きなギプスで固定されていた。

 8月23日、横浜スタジアムで鈴木誠也が骨折するシーンを目撃した。2回裏、6番横浜・戸柱恭孝の大きな当たりを追い駆けた鈴木は、フェンス際でジャンプしてこれを好捕する。しかし、大きく飛び上がって着地する時に、右足がフェンスの下の方にひっかかって、その体重が全部乗るような落ち方をした。

 捕った球は決して離さなかった鈴木だが、立ち上がることができずに担架で運ばれていった。この日も4番に座った鈴木は、1回に第26号のソロホームランを放っていた。鈴木誠也のシーズンが終わった瞬間だった。

 前述のように広島優勝の要因は、挙げたらキリがないほどある。逆に言えば優勝とはそういうものだろう。誰もが自身の持ち場で期待を超える活躍を果たす。それぞれにストーリーがある。みんなが持てる力を発揮する。その総力が他チームを圧倒する。

 だから、「誰が良かった」「誰の働きが見逃せない」と言ったとしても、優勝に関わったすべての選手&スタッフの力が結集されたのが優勝という成果だろう。