ごめんなさい。もちろんセリーナに暴力行為があったわけではない。言いたいことは、彼女がカッとなってしまったということだ。

 念のため状況を説明しておこう。セリーナが切れてしまったそもそものきっかけは、スタンドにいたコーチからの「コーチング」だった。グランドスラム大会では、コートサイドにいるコーチからの指示やアドバイスが禁止されている。

イラつきラケット叩き壊す

 それは第2セット、第2ゲームが終わった時のことだった。テレビでもしっかり映っていたが、コーチが手を使ってプレーに対するアドバイスを送っていたのだ。それを見た主審が、セリーナに注意(警告)を促した。

 するとセリーナは、「私はそれを見ていない」と猛抗議したのだ。確かにセリーナがそれを見たのか見なかったのかは分からないが、コーチがセリーナと目線を合わさずにそうしたポーズを繰り出すのも不自然だ。もし本当にセリーナが見ていなければ不運なことだが、同じチーム、セリーナ陣営が見せたアクションという意味では、彼女が注意されても仕方がないだろう。

 

 この時、テレビの解説を務めていた松岡修造氏は、その手の動きについて断定はできないが「テニスをやってきた人なら、ボディーへのリターン、前後の揺さぶりを意味しているジェスチャーに見える」と的確な解説をしていた。しかし、ここではまだ警告の段階で、彼女がポイントを失うことはない。

 

 セリーナがさらに暴走してしまったのは、この後のことだ。ゲームカウント3対1とリードしていながらの第5ゲーム、サービスゲームを落としたセリーナは直後にコートにラケットを叩きつけてこれを破壊してしまったのだ。このラフプレー(ラケットの乱用)で2度目の警告を受けたセリーナは、自動的に1ポイントを失い、続く第6ゲームは0-15からスタートすることになった。

 

 こうなるともうセリーナの怒りは治まらなかった。第6ゲームをストレートで落とし、第7ゲームも大坂にブレークされると戻ってきたベンチで主審への猛抗議が再び始まった。ここではついに言ってはいけないことを口にしてしまった。