絶好調の秘訣は「Happy brain learns better」

 そんな様子を見かねて工藤公康監督が柳田に言葉をかけた。

 「もっと穏やかな気持ちで打席に立ちなさい」

 それは今シーズン、柳田自身が自ら掲げたテーマでもあった。

 「明るく楽しい気持ちで打席に入る」

 柳田は、忘れかけていた姿勢を思い出して、5月中旬からヒットとホームランの量産体制に入っていく。そして最高の状態で前半戦を終えることになった。

 幸せや喜びを感じる「脳」が、多くのことを学んだり吸収したりすることは科学的研究成果としてすでに発表されている。

 0.5秒にも満たない時間の中で、視覚で捉えたボールを打つか打たないかを判断して、打つと決めた刹那に的確なスイングを繰り出す。「脳」と「身体」が連動して合理的な動きを生み出す。そこにその動きを阻害する何らかのストレスがあっては、きっと上手く身体が動かなくなるはずだ。

 「穏やかな気持ち」とはメンタルを語っていながら、実は「フィジカル」を柔軟に動かすための重要な要素だ。

 穏やかで楽しい気持ちは、身体を解放してあらゆる変化に対応させる。固く凝った気持ちは、そのまま身体までも固くしてしまう。

 「明るく楽しい気持ちで打席に入る」
 「穏やかな気持ちで打席に立ちなさい」

 打席を「仕事」に置き換えるとどうなるか。
野球でも仕事でも、「Happy brain learns better」は試してみる価値がありそうだ。