新設されたBリーグ(プロバスケットボール)。初代チャンピオンに輝いた栃木ブレックスのキャプテン・田臥勇太(36歳)がインタビューで最初に口にしたのは、ともに決勝を戦った川﨑ブレイブサンダースへの感謝だった。

 チャンピオンシップ決勝(栃木85―79川﨑)

Bリーグの2017年オールスター戦でプレーする田臥勇太(栃木ブレックス、写真中央)。(写真=アフロスポーツ)

 「ありがとうございます。まずはここまで激しく戦ってきた川崎さんに敬意を表したいと思います」

 その時、国立代々木競技場(観衆1万144人)を満員に埋めた栃木と川崎、両方のブースター(バスケットではサポーターをブースターと呼ぶ)から大きな拍手が起こった。

 対戦相手への敬意を忘れない。

 田臥のスピーチには、日本人初のNBA(アメリカ・プロバスケットボール・リーグ)選手として戦ってきた欧米流のマナーが表れていた。NBAに憧れ、日本のバスケットボール・シーンがいつの日か彼の地のような盛況になることを夢見てきた田臥にとって、相手に敬意を払うスピーチも長いキャリアで身に着けてきた流儀であり、こうした場面で自然と出たものだろう。

 振り返ること約20年前。日本のNBA人気はピークを迎えていた。

 1996年、NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダン(シカゴ・ブルズ)が初来日した。彼のスポンサーであるナイキが招き、他の契約選手と一緒にバスケットクリニックを開催したのだ。当方は1週間に及ぶジョーダンの滞在を朝から晩まで毎日追いかけていた。