今回は、スポーツ選手におけるアマチュアとプロの違いについて考えてみたい。例えば、マラソンの川内優輝選手。

 学習院大学を卒業後、実業団の強豪チームに所属することなく、埼玉県庁に職を得ながら単独で練習に取り組んでいる。職場への通勤をランニングで行ったり、週末に各地で開催されるマラソン大会に練習を兼ねて頻繁に出場したりする。

2016年4月のチューリッヒマラソンで優勝した川内優輝。(写真=AP/アフロ)

 練習メニューも自分で考えて、遠征の手配も自分自身で行う。マラソン界の中では独立した存在で、すべてを個人でマネジメントしているという点では、プロ意識の極めて高い選手といえるだろう。

 しかし、県庁に就職している立場で言えば、純然たるアマチュアの選手ということになる。

 逆に実業団の選手たちは、競技を問わず、その多くがスポーツを仕事にしている。実業団の選手たちは、会社員でありながらも一般的な仕事はせずに、スポーツに専念する環境を与えられている。なかには契約社員として高額な年俸でプレーしている選手もいるが、多くは会社員の給与で選手生活を送っている。社業に従事することなくスポーツだけをしているという点では「プロ」と呼ぶべきだろうが、身分上はアマチュアの選手ということになる。

 こうした理由から、どんな立場のどんな選手を「プロ」と呼ぶかは、契約の内容や本人の考え方次第になってくるので難しいのだ。