前日(第2戦)も、4打数4安打、1本塁打、5打点の大暴れ。すべての準備と予測が当たっているわけではないだろうが、相手を研究して臨んでいることで、打席の中で迷いが消えて、余計なことを考えることなくシンプルに相手に向かっていくことができているのだろう。

 前々回の当コラムで紹介した「セ・リーグ ファンミーティング」で、2015年に当時ドラフト1位で入団した岡本選手に話を聞いた。

対戦相手の研究から生まれる自信

 原辰徳監督と一緒にステージに上がった岡本選手は、大物感を漂わせながらものんびりした受け答えで原監督を笑わせた。そんなおっとりした岡本選手を心配しつつも、原監督は「とにかく将来のジャイアンツを背負って立つスケールの大きな選手に育って欲しいですね」とエールを送った。

 あれから4年。

 「ジョニー・デップ」でアピールしていたサービス精神旺盛な青年は、いよいよバットでの勝負に専念することを決めた。ノリの良さや気持ちだけで戦えるほど、プロの世界は甘くない。それは、どんな仕事でも同じだろう。

 相手(仕事の内容)を研究し、自分のメカニック(合理的な動き)を構築し、集中力を高めて打席(仕事)に向かう。そして、ここが不思議なところだが、そうしたプロセスを通じて自分の中に自信が生まれてくるのだ。その思い切りの良さが、岡本選手の打席から伝わってくる。

 彼は、言った。「まだ、始まったばっかり。油断はしない。1年間、気を引き締めてやると決めている」

 そう、大切なことは「決める」こと。何かを決めることで覚悟が生まれる。

 岡本選手は、「ジョニー・デップ」を捨てて、「ジョニー・デップ」を目指す。狙うは、ジョニー・デップ張りの「主役の座」だ。