彼は、去年の「ファンフェスタ2017大運動会」の選手宣誓でも、新バージョンの「反町隆史です」を披露している。そんなお笑い好きの岡本選手だが、今シーズンは鉄板の「ネタ」を封印した。

ヒーローインタビューで垣間見えた緊張感

 開幕の阪神3連戦で2試合連続ホームランを放った岡本選手は、逆転3ランを打った3戦目のヒーローインタビューに呼ばれた。岡本選手の「ネタ」を知っているアナウンサーが、自己紹介を求めたが「今年は気を引き締めているので…」と、やんわりと断ったのだ。

 「覚醒」と言っては失礼かもしれないが、今年の岡本選手は見違えるようだ。やや、かかと体重でゆったりと構えた打撃フォームからは、鋭い回転の匂いがする。投球がツボに来れば、どこまでも飛ばしそうな準備ができている。「いらっしゃい」と甘いボールを手ぐすねを引いて待っている感じだ。この日、阪神タイガースの秋山拓巳投手から打ったホームランも、滞空時間の長い「これぞホームラン」という見事な打球だった。

 「覚醒」は、偶然の産物ではない。

 ホームランは、2点を追う4回の裏。1アウト、ランナー2塁、3塁の場面だった。ここで岡本選手は、次のように狙いを定める。

「外野フライでも1点。高めを思い切り振ろう」

 その高めのボールが初球から来た。これを見逃すことなく強振した打球がレフトスタンドに吸い込まれていった。

 オープン戦から絶好調を続けている岡本選手は、これまでとの違いを準備のたまものと説明している。これまでは、漫然と打席に向かっていたが、今シーズンは相手投手の特徴を頭に入れて、打つべきボールを絞って打席に入っている。