あなたは大衆食堂? それともイタリアン?

 野球のことは、野球で語れ。「食の陣」に出店する店と野球選手は違うだろうとお叱りを受けそうだが、考えたいのは野球のことではない。私たち自身のことだ。

 野球選手は、自分の特徴を生かしてこの時期にアピールする。素材を活かして料理する鉄板焼きのような野球をする人もいれば、細かい細工を得意にする繊細な料理人もいる。戦列を離れて自分のペースでの調整が許されている大谷翔平選手(北海道日本ハム)は、ミシュランの三ツ星レストランだ。その腕前をもう誰もが評価している。

 では、それ以外の店(私たち)はどうするか。とにかく特徴を見せることだろう。オールマイティーに何でもできる大衆食堂なのか、ノリが売りのイタリアンなのか、パワーとスタミナのステーキハウスなのか、日本の伝統を大事にする和食なのか、はたまたスパイスの効いたエスニック料理か。

 何であれ、美味しい料理を提供して周囲から信頼を得なければ、継続的な経営は難しい。それは、個人においても組織においても同じことだろう。

 野球選手を料理人だと思って見てもらえれば、彼らがこの時期にやっていることが分かりやすくなるはずだ。これからオープン戦を通じてその腕前を競い合い、選ばれた選手だけが人出の多い1軍という「メインストリート」での出店が許される。それはチームスポーツであり、その一方で個人経営のビジネスなのだ。

 沖縄では、何人もの生きのいいシェフを見た。果たして彼らは最後まで生き残れるのか。いよいよこれから勝負だ。

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