キャンプで味を磨いているようでは遅い

 サポーターズ倶楽部のファンミーティングで遅くまで飲んだ翌朝、今度は「野球の陣」が張られている沖縄に新潟から飛行機で飛んだ。雪国から南国へ、日本酒から泡盛への旅である。沖縄には5日間滞在した。

 野球はチームスポーツで、練習の大半は投打における連携プレーに充てられる。これを上手にこなせない選手は、そもそも試合に出る資格が与えられない。サインを覚えたり、状況によってやるべきプレーをチーム全体で確認したりする。キャンプで練習と呼ぶべきは、こうしたチームプレーだけかもしれない。

 それ以外の場面は、すべて出店したお店のアピール合戦だ。つまりそこで味を磨いているようではもう遅い。自慢のレシピで作る料理で首脳陣を満足させられるかどうかが勝負なのだ。

 シーズンでベンチに入れる人数は決まっている。その店をキャンプとオープン戦を通じて首脳陣は選別するのだ。だからケガや故障で料理を出せない店は最初から話にならない。キャンプ初日から緩んだ体形を注意され、2日目に指の骨折が判明したオコエ瑠偉(るい)選手(東北楽天)などは、この典型的な例だろう。即刻ファーム行きを命ぜられてしまった。

 2軍のことをファームとはよく言ったものだ。農場に出店しても、そこには人がいないので稼げるはずもない。じっくり力を付けてから出直して来い…という訳である。期待のドラフト1位ルーキー、夏の甲子園の優勝投手である今井達也投手(埼玉西武、作新学院出身)や寺島成輝投手(東京ヤクルト、履正社出身)もキャンプ中に故障が生じてファームでの調整を余儀なくされた。

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