最年少日本一に平野を変えたものは?

 実力者が若手や伏兵に負けるときは、前回のコラムでも書いたが、いつでもこんな展開だろう。相手の攻撃を受けに回って焦ってしまう。その状態では、いくらトップ選手でも日ごろの力を発揮することができない。

 しかし、この大会の平野は、若さの勢いというより彼女自身の卓球のレベルが数段上がったという戦いぶりだった。それは、石川のこんなコメントからも伝わってくる。

 「レシーブがスマッシュのようだった」

 それは予想外のショットが想定外のスピードで返ってきたということだ。

 何がそこまで平野を変えたのか?
 それは、優勝後にインタビューで語った彼女の言葉によく表れていた。

「リオ(五輪)に出られず、悔しくて絶対優勝したかった」

 平野は決勝前日にも、「(石川に)勝てる」「優勝したい」と臆することなくその気持ちを言葉にしていた。

 優勝によって手に入れた5月の世界選手権への出場について聞かれても、「中国人を倒してメダルを取る」と言い切った。

 彼女にとっての転機は、自身が言っている通りリオデジャネイロ五輪の代表から外れ、補欠で五輪に同行したことだろう。はじめは悔しさのあまり行くことに価値を感じなかったが、それでは意味がないと気付き、代表組のプレーを客観的に観察した。

 そして改めて感じたことは「代表になれなかったのは五輪への思いが足りなかったから」ということだった。

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