灼熱のメルボルンから帰国した。

 テニスの全豪オープンが開催されている南半球のメルボルンは、連日真夏の気候。雨が降ったり涼しい日もあったりするが、天気が良ければ軽く35度を超える。私がいた1週間も37度や38度の日が続いた。そんな中でテニスを観戦していて、選手たちにとって天候の変化が最大の敵だと感じた。

 テニスの前にメルボルンについてひと言。

 彼の地を訪ねたのは、30年振りだった。プロ野球を引退してビクトリア州で日本語の教師をしているときに2度訪れている。今回行って驚いたのは、メルボルンの「シティー」(街の中心街の4キロ四方ぐらい)と呼ばれる中心部で、トラム(路面電車)が無料で乗り放題になっていたことだ。街の中の移動にトラムを使えば一切お金がかからない。しかも碁盤の目のように張り巡らされた路線が、街のほとんどをカバーしている。5~10分間隔で走るトラムに乗れば、自由にどこへでも行ける。

全豪オープンが行われるメルボルンの中心部では、トラム(路面電車)が無料で乗り放題。コートへの移動も楽ちんだ。(©tktktk-123RF)
[画像のクリックで拡大表示]

 メルボルンが世界一住みやすい都市に選ばれたり、観光地のランキングで常に最上位にランクインしたりするのは、街の魅力に加えて移動のストレスがほとんどないということも大きな理由だろう。

 観光業や行政の担当者にとっては、調査・研究に値するインフラの在り方といえる。

番狂わせが続いた全豪オープン

 自由に乗り降りできるトラム同様に、「ロッド・レーバー・アリーナ」と「マーガレット・コート・アリーナ」という屋根付きの大きなコートを除けば、どのコートでも一般のチケットで自由に観戦できるのが全豪オープンの楽しみである。錦織圭が初戦を戦った「ハイセンス・アリーナ」という立派な会場でも、指定席以外は自由に出入りできる。日本からの多くのファンにとっても、有り難い大会運営だと言えるだろう。おかげで錦織の試合は、日本人サポーターで埋め尽くされていた。

 今大会は、序盤から波乱が続いた。ナンバー2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が2回戦で姿を消したかと思えば、ナンバー1シードのアンディ・マリー(英国)も4回戦で早々と負けた。女子のナンバー1シード、昨年の優勝者アンジェリック・ケルバー(ドイツ)もノーシードのココ・バンダウェイ(米国)に4回戦で負けた。

 ジョコビッチが負けたのは、ランキング115位のデニス・イストミン(ウズベキスタン)、マリーに勝ったのもランキング50位のミーシャ・ズベレフ(ドイツ)だった。

 そして我らが錦織圭も4回戦でメルボルンを後にした。

 ただ、錦織の場合は決して格下の相手ではない。故障でしばらくコートから離れていたとはいえ、長くランキング1位に君臨していたロジャー・フェデラー(スイス)である。セットカウント2対3とフルセットの末に敗れたのだから、むしろ善戦したというべきなのかもしれない。