全3379文字

本田圭佑のACミラン入団会見も英語だった

 菊池投手は、質疑応答でも興味深い発言をしている。

 Q マリナーズを選んだ理由は?

 I feel this team needed me the most and I feel the chemistry between us.
 (私を最も必要としていたチームであり、相性のよさを実感しています)

 日本では「チームワーク」と言われることが多いが、これからはそれを指す言葉として「chemistry」という英語が、もっと浸透することになるだろう。「化学反応」から転じて「相性」や「団結」を意味する表現だ。彼がこれを英語で言うことで、「chemistry」を大事にする選手であることを先方に伝えることにもなる。

 Q 大リーグに慣れるために準備してきたことは?

 I had a dream to play MLB when I was 15 years old,
  I have studied English ever since then.
 (15歳の時に米大リーグでプレーしたいと夢見た。
 その時から英語を勉強しています)

 おそらく、大リーグを目指す選手にとって、今後はこの姿勢がスタンダードになっていくことだろう。そして入団会見から英語を話す。
 「野球界は、まだそのレベルか !」と、それを当たり前にやっているほかのスポーツから笑われてしまうかもしれないが、それが現実であり、菊池雄星が新たなステージに立って見せたのだ。

 以前、イタリアのサッカー1部リーグ、セリエAに乗り込んだ本田圭佑(32歳、メルボルン・ビクトリーFC)が、ACミランの入団会見をすべて英語でこなした時にも同様の原稿を書いたが、ついに野球界でもそれが起こった。

 「国際的な競技力とは、英語力そのものだ」と言ったら、各所から非難殺到だろうか。でも私は、ほぼ間違いないと思っている。
 日本人大リーガーの先達である野茂英雄やイチロー、松井秀喜はどうなんだ? という指摘がすぐに飛んでくるだろう。田中将大や大谷翔平は?

 私の知る限り、イチローや松井秀喜は問題なく日常会話を英語で話している。田中や大谷も通訳を付けながらも、十分に溶け込んでいる。

 しかし、野球界もこれからは通訳なしで渡り合う時代になる。
 その扉を菊池雄星に開けて欲しいのだ。
 もちろん田中や大谷にも……である。