この家族に関しては後日談があります。長女と長男の嫁の仲たがいは続き、結局長女は自宅を売却して、この土地から出て行くことになりました。長男の嫁の完全勝利と言えるのではないでしょうか。

 最近では生前お世話になった人、たとえば介護職の方など赤の他人を養子にするような資産家の話を時折、耳にします。これはこれで本人が納得していれば問題はありません。ただし、死後、親族が養子縁組を知った場合などは「争族(あらそうぞく)」になりがちです。

 戸籍謄本を頻繁に取得して、中身を確認するような人は滅多にいません。今後もこういった問題や争いごとが増えるのではないでしょうか。


 最後に、私の記事に対してたくさんのコメントをいただきました。とても励みになります。ありがとうございました。

 私が本連載を通じて訴えたいことは一つです。それは「遺言を書くことが当たり前の社会にしたい」ということです。もちろん遺言を書いたからといって、あなたの家族が「争族(あらそうぞく)」になるのを避けられる保証はありません。

 しかし、遺産相続をめぐる家族の争いを避けるために、手軽に出来て、法的に有効な手段は遺言を書くことくらいしかないのが実情です。近年予定されている民法の改正でも、この辺りの話はいろいろと議論になるとは思います。

 大切な子供たちの心がバラバラにならないための「保険」として遺言を書いておく。そうした認識が社会にもっと広まってほしいと切に願っています。

 一部、誤解されているようなコメントも散見されましたが、本記事がきっかけとなって相続について考えていただければ幸いです。年末年始は家族や親族が集まる機会です。臆せず、相続について話し合ってみてください。