相続でも「セカンドオピニオン」を

 この方たちもそうでした。相続税を払い過ぎたのではないかと疑問をもった長女が、セカンドオピニオンを当初申告時とは異なる税理士に相談したところ、1000万円近くの相続税が戻ってきたのです。

 そして、その相続税を取り戻す過程で、この兄妹は少し関係を修復することもできました。と言いますのは、税務署は、減額更正をするには、兄妹そろって請求をしてくださいというのです。

 長女は当初、単独で減額更正をするつもりでしたが、税務署に言われる通り長男にも「払い過ぎた相続税が戻ってくるみたいなので、お兄さんもここにハンコ押して」と連絡をしました。関係が悪化していたため長女は躊躇していましたが、お金が戻ってくるので思い切って連絡したのです。

 その結果、兄妹に相続税の一部である1000万円弱が戻り、これによって仲直りとまではいかないものの、多少の交流は生まれつつあります。還付額も妹の方が多かったのですが、兄としても多少の金額でも戻ってきたこと自体は嬉しかったようでした。お金が理由で兄妹の関係は一旦おかしくなりましたが、再度お金が縁を取りもつことになったのです。

 そのきっかけは税務署というのも非常に興味深いケースと言えるでしょう。繰り返しになりますが、土地を多く保有されている地主の方などは、当初申告時の土地評価が正しかったかどうか、セカンドオピニオンを取ってみるのも一手かもしれません。

 なお、この更正の請求の期限ですが、基本的に申告期限から5年以内となっていますのでご注意ください。つまり、相続税の申告期限は相続発生時から10カ月以内ですので、更正の請求は死亡時から5年と10か月以内に行う必要があります。

 ※相続終活専門士協会は、4月21日土曜日午後1時半から「誰でも書ける遺言セミナー」を開催します。講師は同協会代表理事の江幡吉昭氏(本コラムの著者)と司法書士の佐久間寛氏です。参加費は無料です(定員30人、定員以上の申し込みの場合は抽選)。参加ご希望の方は、同協会HPの「お問い合わせ」から、「4/21セミナー申し込み」と題名を記入してお申し込みください。