高年収で高い地位の人物が加担

不正行為や社会的規範からの逸脱という点についてですが、必ずしも法律違反だから炎上が拡大するというわけではないのでしょうか。

山口:それは、ほぼ関係ないと見ていいですね。それぞれの炎上に共通する部分として、人々の考えている規範に反した行為をしているということがあるのですが、その規範は法律ではありません。例えば性的マイノリティーの方々を差別するような発言は、その差別はダメだと考える人々の規範に反するから炎上するわけです。女性を何らかの型にはめるようなテレビCMが批判されるのも同様です。

 今年で言えば、舛添要一・前東京都知事の問題もそうですね。彼は炎上した際に法律違反ではないと突っぱねましたが、都民が気にしているのはその点ではないわけです。あなたがやっていることは明らかに倫理的におかしいでしょう、ということですよね。にも関わらず違法ではないという切り返しをしたことが、辞任にまで追い込まれる要因の一つになった。

 もう一つ、炎上というのは、いわゆる「引きこもり」と呼ばれるような人たちが一生懸命書いているようなイメージが一般的にあると思います。しかし、実際に研究すると、結構年収が高いとか、あるいは社内で課長、部長だとかある程度のポジションに就いたりしている人の方が加担しやすいという結果が出ました。

きちんとした役職についている人が、会社とネット上では異なる顔を見せているということでしょうか。

山口:それも考えられますが、先ほどの社会的規範、正義感からということで言えば、一定の社会的地位があり、知識があり、メディアへの接触時間が長くよく情報を収集している人ですね。そうした人々が、確固たる自分の意見を積極的に発信しているということでしょう。

 若い人はもちろん多いのですが、30代、40代、中には60代の人もいます。例えば集団的自衛権などに関連してしっかりと知識や意見を持っている人が、自分の意見と違うことを言っている人に対して「それは違う」と否定するとか、そのような現象が炎上の大きな部分を占めていることも分かってきています。