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 さて、こんな若いイケメンの医師が本当にいるのかという問題は置いておいて、注目すべきは「体重50kgの人が1時間で分解できるアルコールは、ビールの中瓶で約4分の1」という部分。みなさんが想像している以上に少ないんです。

 多くの人は、「自分の許容量」をちゃんと把握しているでしょう。それでも飲み過ぎてしまうのは、ちゃんぽんすることで自分が飲んだ量が正確に分からなくなってしまうからです。

 お酒の種類を途中で替えるのは、気分を変えたいからだと思うのですが、そうなると味がリセットされて、「まだまだ大丈夫」とばかりに、つい飲み過ぎてしまうのです。

急いで飲む日本人、のんびり飲むヨーロッパ人

 ここまで読んで、「そんなことは分かっている。それでも飲み過ぎてしまうんだ!」と思った読者の方もいるかもしれません。

 その気持ちはよく分かります。私も、アラフィフになった今でも、ついやらかして、飲み過ぎてしまう日があります。

 最近になって、これは「日本の飲酒文化」の問題ではないかと気づきました。

 仕事でイタリアに行き、現地でソムリエなどお酒に関する仕事をしている方と話していて感じたのは、ヨーロッパの人は飲むペースが非常にゆっくりだということ。一方、日本人は飲むペースがとても速く、急き立てられるようにお酒を飲んでいるのです。

 日本では、一つのお店に長居することはよくないと考える風潮が昔からあります。適当なところで切り上げて次のお店に行くのが当たり前。「河岸(かし)を変える」と言うとなんだか“粋”な感じがしますが、2軒目、3軒目になると記憶がなくなる… という経験をした人も多いでしょう(私もです)。

 終電で帰ろうとするのも、飲むペースを上げることにつながります。「終電まであと30分だからあと2杯は飲める」などと無理をしてしまうからです。また飲み会に遅れて参加しても「駆けつけ三杯」とばかりに、つまみも食べずに急いで飲む。その結果、待っているのは二日酔いです。

 それに対してヨーロッパの人は、一つのお店に陣取って、長い時間をかけてゆったり飲みます。おしゃべりしながら、食事と一緒にワインを味わい、仕上げにグラッパなどのスピリッツを飲むというのが一般的です。

 さて、飲むペースが速いとどうなるでしょうか? 血中のアルコール濃度が上がり、悪酔いするだけでなく、脳の中で理性や思考を制御する前頭葉の機能が低下してきます。すると、自分で自分をコントロールできなくなって、笑い上戸になったり、泣き上戸になったり、歯止めなくお酒に手を出して飲み過ぎてしまったりするのです。

二日酔い対策の決め手は「つまみ」

 それでは、どうすれば血中のアルコール濃度を上げ過ぎないようにできるでしょうか? ここで改めて、イケメン酒好き医師にご登場いただきましょう。