威張る高齢者は困りもの
実力者は大体において威張らない。威張るのは、実力があまりない故に、それをカモフラージュするための虚勢を張る必要を感じている人だ。若い時には地位がなく、実力もまだ認められていないので、時には虚勢を張ることも必要かもしれない。しかし、歳をとれば、実力の有無は既に知られてしまっているので、威張れば威張るほど憐れみを買うだけだ。
「威張る」「自慢する」ぐらいは無邪気なもの。「放っておけばいいじゃあないか」という人もいるだろうが、私はそうは思わない。周りにいる真面目でおとなしい人達を萎縮させてしまうからだ。日本人は総じておとなしく、あまり自己主張が強くないので、それぞれの人の中にある潜在能力を見つけ出して、それを引き出していくのは容易ではない。組織の中に威張り散らす様な人が一人でもいると、この難しい仕事がさらに難しくなってしまう。
一度も権力の座に就いたことのない人は、威張りたくても威張りようがないので、まあブツブツ言っているだけで済む。しかし、一度でも、どんな小さい権力でも握ったことがある人は、その蜜の味が忘れられず、権力がなくても、威張ることで気を晴らす傾向がある。偉くなったかつての同僚や部下の名前を出して、それを「自分を偉く見せるための小道具」にしようとしたりもする。こんなことはまったく何の意味もない。
「威張る」のとは少し違うが、「口うるさい」のも問題だ。本人とすれば「危なかっしくて見ていられない」という気持ちが強く、「転ばぬ先の杖」という善意から出た気持ちなのだろうが、ここはぐっと我慢して、実際に口に出すのは、3度に一度ぐらいに抑えた方が良い。結局は、その方が真剣に受け止めてもらえる可能性が高まり、良い結果につながると思う。そうでないと「また始まった」で終わってしまう。
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