どうすれば英語に強くなれるか?

 端的に言えば、私のアドバイスは下記の3点に尽きる。

 第一は、口真似に徹すること。

 その意味では、盛んに宣伝されているスピードラーニングなどの「聞き流し教材」も大いに役に立つかもしれない(私自身は試みたことはないが)。そもそも子供が言葉を覚えるのは、まずは周囲にいる大人がしゃべっていることを口真似して、次第に「ああ、こういう状況ではこういうことを言うのだな」と理解していっているのだ。

 (ちなみに、今の日本の学校での英語の教え方は根本的に変えたほうが良い。文法とか文脈の作り方などについては、先生が解説するやり方でも良いが、講読や発音はすべてネイティブに喋ってもらったビデオやCDを使うべきだ。)

 第二は、体裁と羞恥心を捨てること。

 日本人は、大体において、完璧でないと恥ずかしいと思い、失敗を極度に恐れる傾向がある。だから自信のない外国語は喋りたくないのだ。しかし、これではまったく上達はしない。ブロークンでもいいから、とにかく喋りまくらなければ、覚えられないし、誰も間違いを指摘してくれない。

 しかし、さすがに同じ日本人同士ではこれをやりにくいから、外国人をつかまえて喋りまくるしかない。英語の場合は、米国人や英国人、カナダ人やオーストラリア人をつかまえれば一番良いが、フィリピン人でも全然いい。インド人やシンガポール人は、人によってはなまりが強すぎるが、贅沢は言っていられない。韓国人や中国人を含む、英語を母国語としない人達でも、英語しかコミュニケーションの手段がないなら、相手としてまったく不足はない。

 そして第三に、私は「書くことの重要性」を強調したい。

 メール、 LINE、 Twitter、 Facebook、 ブログ、何でもいいから、思ったことを短文で書き散らすのだ。しかし、できるだけきちんとした英語で書くことが望ましいから、この機会をとらえて、中学・高校時代に勉強した英文法の教科書を引っ張り出して、おさらいをすることを強く勧める。

 これは一見、第一と第二のアドバイスと矛盾するように思えて、意外に感じられるかもしれないが、仕事で英語を使っていこうと思えば、決して外してはならないトレーニングだ。同じ米国人でも、都市部出身の政治家などは実にきちんとした英語を喋っており、そのほうが我々外国人にもはるかに分かりやすい。

 我々自身も、本当に理解してもらおうと思うなら、くだけた英語を話して格好をつけるよりも、極力きちんと文法に従った英語を話すように心がけるべきだ。さらに言うなら、仕事上のコミュニケーションは、電話会議だけでごまかそうとせずに、事前と事後に論点を整理したメールを送るなどして、本当に意が通じているかどうかを確認すべきだ。失礼ながら、私の見るところでは、普通の日本人が電話会議で理解できているレベルは、相手の外国人が思っている半分以下だと思う。