部門を丸ごと受託する以外にも、間接部門が自立する方法はある。その一例がパソナが2014年にパナソニックから子会社化したパソナ・パナソニックビジネスサービスだ。この会社はパナソニックの庶務や敷地内警備などを請け負う。別会社となったことで、取引価格が明示されるようになった。すると本当に必要な業務かどうか棚卸しができるようになった。「何となくこなしていた業務がなくなった。逆に我々から提案するように心がけているため、社員もやる気がでている」(青山光洋社長)。さらにパソナ・パナソニックビジネスサービスには大規模な株主総会を運営したノウハウなどがあり、外販することを強化している。

社長が他社でアルバイト

 そもそも間接部門が重要であることを社員が認識するには経営者の理解が不可欠となる。住宅販売会社コラボハウス(愛媛県松山市)の清家修吾社長の名刺には「最強の雑用係」と書かれている。清家社長は嫌な雑務を社員に押し付けないために雑用係と名乗るようになったためだ。

 コラボハウスの社内に総務部門はない。5人1組でチームを作り、すべての業務をこなす。各チームに上下関係はない。清家社長も各チームに対し、細かい指示命令をしない。チームの自主性を重んじている。

 総務部門がないため、清家社長が雑務をすべて引き受ける。「単調な仕事を社員にさせたら生産性が落ちる。面倒なことは社長が引き受ければそれで良い」(清家社長)。清家社長は社内だけで飽き足らず、わざわざアルバイトにも出かけて考え方がぶれないようにしている。

 時給800円の駐車場内の整理や回転寿司店の皿洗いのほか、クリスマス前には洋菓子店でケーキづくりのアルバイトをこなし、年中無休で働く。20歳以上年下の高校生から指示されることもしばしばだという。「単調な仕事の嫌なところを忘れないためにバイトをしている。この気持ちを忘れなければ、うちの経営は安泰」(清家社長)。

 もちろん清家社長のような働き方は実践しづらい。ただ間接部門に対する感謝の気持ちを忘れず、常日頃からメッセージを伝えることは実践できるはずだ。

コラボハウスの清家修吾社長。全国出張の合間を縫ってアルバイトにも精を出す
コラボハウスの清家修吾社長。全国出張の合間を縫ってアルバイトにも精を出す
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