どうしても業務量が集中するときはキャスター(東京・渋谷、中川翔太社長)が提供するオンラインアシスタントサービス「キャスタービズ」を使い、経理業務や入力作業を依頼する。これ以外でも久保田氏は作業することはなく、管理業務に徹する。そもそもクラウドサービスをフル活用することを前提に業務プロセスを設計しているため、無駄がない。「規模が大きくなっても私だけでやっていけそう」(久保田氏)。

大企業でも省人化は可能

 もっともスキャンマンのような新興企業は業務手順を整備する段階でクラウドを導入しているので、間接部門を小さくしやすい。だが大企業でも省人化は可能だ。企業規模を問わず間接部門のスリム化に役立つ技術として注目されているのがロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)だ。実際のロボットに作業させるわけではない。クリック操作や文字入力、コピーアンドペースト、ソフトの起動といった人間が行うパソコン操作を自動化できるというもの。複数のソフトにまたがった業務処理が可能で、人がこなしていた業務を交代できる。

 例えば顧客データベースを参照し、氏名や連絡先などをコピーして受注システムへ入力。さらに電子メールを立ち上げて、宛先や件名、本文までも入力して送るといったこともこなせる。人手だと30分ほどかかっていた業務が、RPAでは1分ほどで完了してしまう。年中無休でミスもしない。ホワイトカラー職場の定型的な作業を自動化できるのだ。

 RPAに詳しいデロイトトーマツコンサルティングの信國泰パートナーは「間接部門内で人力でこなしている業務の多くはRPAに置き換えられる。クリエイティブな業務以外はなくなる」とみる。人工知能が人間の能力を超えることで起こる出来事「シンギュラティ」が2045年に訪れると言われている。その時、AI(人工知能)に様々な仕事が奪われると言われるが、2045年を待つまでもなくRPAによって定型作業は置き換えられる可能性が高いというわけだ。

 RPAで業務を自動化できれば、間接部門が肥大化することもなく、少ない人員で乗り切れる可能性を秘めている。技術の進化により間接部門は極限までスリム化できる時代が近づきつつある。

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