小池都知事が本格的に乗り出したら、国や鉄道会社を動かせる

輸送力増強を安く早くできる方策は、他にもありますか。

阿部:他に「進路開通と同時の出発」「車両の加減速度向上」「信号の機能向上」と3つあり、今までにお話した「選択停車ダイヤ」「ドア閉めと同時の出発」と併せて私は5方策と称しています。

 鉄道技術に関する細かな話はこれ以上しませんが、5方策により、列車の運行本数をビックリするほど増やせます。具体的な数値は、後ほどお話します。

小池都知事は具体的にどのようなことができますか。

阿部:小池知事は、選挙期間中のテレビ番組にて、「働くビジネスマンや女性が満員電車で感じる苦しさを開放するのは、政治・行政の責任であり醍醐味である」と断言しました。

 それに対して、「東京都が持つ鉄道はわずかで、他の鉄道事業者を動かす権限はない」とのできない理由が必ず出てきますが、そんなことはありません。

 2016年4月に国が発表した2030年に向けた「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」の交通政策審議会答申には、2015年3月に都が「整備効果が高い」とした5路線と地下鉄2路線がそのまま反映されました。

 つまり、都は鉄道会社への直接の許認可や行政指導の権限はなくとも、必要な投資に財政支援することもあり、利用者や地域の代表として鉄道計画に大きな発言力を持つのです。鉄道会社が民間企業であってもです。小池都知事が「満員電車ゼロ」に本格的に乗り出したら、国や鉄道会社を動かせる証左です。

 例えば、東京都が事務局になって「満員電車ゼロ検討会」を立ち上げ、国土交通省や関係自治体、鉄道会社が加わって議論を進めることも1つの方法です。(続く)