吊革につかまれない!

 次に来た女性専用車両には、無事乗ることができた。スマートフォンを見られる余裕はあったので、混雑率は200%(体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める)ぐらいか。

 記者の身長は165cmと女性としては比較的高めなので、視界がふさがれることもなく、圧迫感もない。黒など濃い色のコートを着ている男性がいない分、車内の見た目もカラフルで、軽やかな雰囲気だ。女性専用車両は、化粧品やシャンプー、柔軟剤が混ざった独特な香りが強く、これを嫌がる人もいるとされる。記者はこの日、マスクを着用していたこともあってか特別気にはならなかったが、夏だったらどうだっただろうか。

 男性からの批判を含め賛否両論ある女性専用車両だが、やはり、女性としてはストレスが少なく、ありがたい。その分、男性にしわ寄せが生じているのであれば、申し訳なくは思うのだが…。

 ただ、この朝は困ったこともあった。運悪く、吊革につかまれなかったのだ。多くの列車がそうだが、車両窓側の横並びのシート前の通路、座席前に立つ人の背後に位置してしまうと、手を伸ばして届く位置に吊革がないことは珍しくない。「奥にお詰めください」という車内アナウンスに従ったがためにこうした不運に見舞われると、少し複雑な気持ちになる。

 どうにか、座席前にある吊革に手が届いたとしても、身長が高くない女性や子供の場合は特に、手が疲れてくる。また、自分の前に立つ人の顔の横から手を伸ばすのも、少々気が引ける。途中、ブレーキのためか、乗客が倒れこむような音が聞こえてきた。もしかしたら、記者と同じように吊革に手が届かなかった人なのかもしれない。

 記者が乗った同じ車両に、小学校の低学年とおぼしき子どもを連れた母親が乗っていた。様子を見ていると、子どもがつかまる場所を探すのに困っているようだった。ポールの傍に立てればよいが、そこは人気の場所。幅広い年代の人が安心して立てる列車とはどんなものだろうかと、ふと考えこんでしまった。

 この朝、記者が立った位置は、吊革に手が届かず、さらに、エアコンの吹き出し口の近くだった。風が直撃すると顔がかゆくなるので、本来なら避けたい場所。降車した新宿駅まで、この場所に立ちながら、つかまるもののない中でバランスを崩さないように気を遣っていたためか、やはり少々疲れを感じた。

埼京線は夜の時間帯も混んでいる
埼京線は夜の時間帯も混んでいる

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