混雑率は本当に200%以下?

 こうした車両はどの程度の混雑なのか。鉄道各社は混雑率というデータを発表している。

 混雑率とは輸送力を分母に、輸送人員を分子にして算出している。混雑率の目安もイラスト付きで公表している。

 目安によると、100%の混雑率は「座席につくか、つり革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる」だ。ちなみに150%は「広げて楽に新聞を読める」、180%は「折りたたむなど無理をすれば新聞を読める」、200%は「体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める」、250%は「電車がゆれるたびに体が斜めになって身動きができず、手も動かせない」だ。

 国交省のデータによれば、ピーク時1時間の横須賀線の混雑率は、193%である(2015年度)。公表データはあくまで、1時間の全車両の平均であり、瞬間的な混雑率ではない。とはいえ、ホームであらゆる車両を見ている限り、少なくともピーク時に、200%以下の混雑率というのはありえないと感じた。

 当日は撮影でピーク時に乗れなかったが、11月17日の8時頃に武蔵小杉駅で実際に乗車してみた。

 1つ前の電車をやり過ごして列に並び、8時過ぎの電車に乗り込む。車両の奥に入りたかったが、ドア付近の踊り場で止まってしまう。混雑が激しく、体勢を維持しづらい。

 周囲の人たちと身体が完全に密着して、身体を自由に動かすことができない。この様子をスマートフォンにメモをしようと思うが、ポケットに手を入れることができない。先の混雑率の目安を参考にすると、限りなく250%に近いと感じた。

 大半の人がスマホを見ているか、何もしないでじっとしている。見知らぬ人同士ですし詰めになって、何を思っているのか。心の声が解放されたら、人々の不満の大声が車内中に響き渡るのではないか。イライラしないように、無心になろうとしているのかもしれない。

11月28日の横須賀線の武蔵小杉駅。最後の一押しでどうにか乗り込む。(撮影:北山 宏一)