先端技術の活用などで多様な農業展開があり得るということですね?

三輪:そうです。今後は専業でたくさん作って稼ぐ農家や、小ぶりでピリリとした特色が有る農業を営む農家もともに増えていくと思います。

高まる農家と就農者の多様性

 様々な形態の農家が増え、法人経営などで多様な人材の適材対処の配置なども進んでいくことでしょう。農家自体と、そこで働く就農者のダイバーシティー(多様性)がともにぐっと高まっていくとみています。

 これまで農業は「GDP(国内総生産)の1%の産業に過ぎない」「守りが大切」と殻に閉じこもりがちでした。

 それがここ数年の改革一色のトピックが一巡したところで、農業をどう生かしていくのか、下品な言い方をすれば、「農業をどうしゃぶり尽くしていくのか」を真剣に考える局面に入ったとみています。

「農業は様々な産業や政策と親和性が高い」と語る三輪氏

 農業は様々な産業や政策と親和性が高く、制度のひずみを直す特効薬になり得ると思います。農業は経済や社会の重要なインフラだと、見方を180度変えてみてはいかがでしょうか。

農業の意義や価値を見つめ直してみようということですね?

三輪:例えば「人生100年時代」と言われる中で、農業に従事する機会が増えれば健康増進や社会保障費の低減にも寄与します。80歳を過ぎて現役でやれる職業など数少ないはずです。

 また、農業に地方創生の主役を担わせるのはいかにも重荷ですが、「農業はもう立派なビジネスだ」という認識が次第に定着してきたのは間違いありません。

 そうした中、「農業×観光」など農業を様々な分野と掛け合わせて新たな価値を生んでいこうという雰囲気が醸成されつつあります。

 例えば、ブルーベリーの観光農園を訪れた観光客の中には、ついでにリンゴの農園も見てみたいと思う人もいるかもしれません。

 そうした観光リソースを巡回するシャトルバスの運営や、駐車場を整備することなどが考えられます。