スマート農業関連ベンチャーにも出資

政府は16年には7502億円だった農林水産物・食品の輸出額を19年に1兆円に引き上げる目標を掲げています。輸出に関してはどのような戦略を持っていますか。

神出:輸出についてはじっくり時間をかけてマーケティングをするのは大原則です。ただし、即戦力として海外で有効な販路を持っている卸業者と組むこともあります。

 農林中央金庫と共同で、英国の食品卸SFGホールディングスを買収しました。約2000店のエスニック系のレストランに食材を卸しているので、そこにコメや肉などを輸出していこうと考えています。

 

ICT(情報通信)機器などを活用したスマート農業は農業の生産性向上の鍵になりそうです。どのように後押ししていきますか。

神出:労働力が不足しているため、ICT(情報通信技術)活用で作業を軽減する取り組みは待ったなしです。今最も進んでいるのは畜産関係です。例えば自動で搾乳するロボットが登場しています。

 5月には農業ベンチャーのファームノートホールディングスに出資しました。同社は畜産を高度化するシステムを開発しています。

 ドローンの技術を持つベンチャーにも出資しました。みかん山などの中山間の傾斜地に農薬を散布するのは、ものすごく効率的です。農場をチェックして、肥料をまく範囲を定めるなど、ドローンの利用価値は非常に大きいと感じています。

様々な改革で農業のビジネスチャンスが広がっています。

神出:農業を取り巻く状況は課題が多いのですが、ピンチはチャンスなのです。地方ではIターンやUターン、孫ターンなどによって、新しい担い手、新人類が誕生しています。

 私の地元の大分県には毎年多くの移住者がおり、その中には子供連れの若い夫婦がいます。大分県出身者ではない人もたくさんいる。県が住宅の手当てなどの支援をしているが、一定の農作業をすることを条件としています。

 都市生活で元気のなかったIT企業のエンジニアが農作業をしていると、元気で健康になってきます。バスで送迎してもらって週に何日か見晴らしのいいところで農作業をし、楽しくて仕方がないという人がいるそうです。地方が活性化する上に、健康な人が増えれば社会保障費も抑えられるかもしれません。