外食など実需者に直接販売していく

回転ずし最大手、あきんどスシローの親会社であるスシローグローバルホールディングスに出資したほか、大手コメ卸の木徳神糧と業務提携しました。流通構造をどのように変えていきますか。

神出:従来は農家が生産した玄米を、全農が委託を受けて卸売事業者などに売っていました。卸が精米し、お米屋さんなどに販売しますが、全農は最終的にどのようなところに売っているかはあまり関心がないところがありました。

 今後は卸の他に量販店や外食などの実需者に直接売っていきます。全農が精米を直接販売しようというのが改革の肝です。もっと言えば、ご飯を売ることも考えています。

 実需者をしっかり握っている卸と実需者、全農の3者が、複数年の長期契約を結ぶことも考えています。外食はきちんとしたコメが届く安心感があり、販路があるので生産者も安心して作れるというメリットがあります。

 こうした戦略の上で大手コメ卸の木徳神糧と業務提携をしました。スシローは海外に出ていくので、そこに日本のコメを提供していきたい。サラダや果物の人気が高いので、そこに我々の販路を生かせると考えています。

 常に農家の立場に立って、合理的な販売ができるかを考えています。今後も状況に応じて、業務提携や出資、買収を仕掛けていきます。来年以降、どんなことが起こるか楽しみにしていて下さい。

「来年以降、どんなことが起こるか楽しみにして下さい」と語る神出元一理事長

 それと買い取りが大事。農協が農家から買い取るのがベスト。それができなければ、全農が農協から買い取ってもいい。単に買い取るのではなく、販路などの土台ができたうえで買い取ることが大事です。

いずれのルートにしても最終ユーザーをしっかり握るということが前提になっているのですね。

神出:そうです。やはり販路があってこその生産なのです。外食によって求めるコメが異なるので、生産品種や精米のやり方を合わせなければなりません。2018年度以降は生産調整がありませんが、需要に応じた計画生産に変えればいいのです。

 品種ごとに適量を作ってもらえれば、価格は安定します。今は業務用米の値段が上がって輸入米がほしいという話が出ているので、こうした事態に対応したいと思います。

 野菜はキャベツ1玉を売って、家庭で調理する割合が減っています。ゴミが出るからでしょう。キャベツの芯を抜いて、2分の1にしてくれというニーズが強いので、そうしたニーズに応えないといけません。