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「まあまあ」と思ってつくった商品は売れない

中には、自分がつくった商品なのに好きではない、というケースもあります。

佐藤:担当チームが「まあまあだな」と思ってつくって、調査にかけた結果も「まあまあ」で、広告を「まあまあ」打って、発売される。そういった商品は、最初こそまあまあ売れるかもしれませんが、リピートにはつながりません。そして実は、この「まあまあ」ばかりの商品が、世の中にはたくさんあると感じています。

大企業で多くの会議を経ていくと、どうしてもそうなりがちです。

佐藤:それと方丈記に「ゆく川の流れは絶えずして」という言葉があるように、時代は常に流れています。ですから、「これでいい」ということはあり得ません。

 どんなに良くできた商品でも、1年経って改めて「本当に大丈夫なのか」と見つめ直して、もっと良くできないかと考えていく。そこがおもしろいんです。

「おもしろい」とおっしゃいますが、しんどいと感じることはないんですか。

佐藤:ありますよ。毎日、問題は山のようにありますから。ただ難しいことがあると、「えーっ、どうすればいいんだ」と言いながら、ついにっこりしちゃうんです(笑)。

 特に若い人に伝えたいのは、世界中が混とんとしている今のような時代には悩みのない人が一番危険です! まともに考えていたら、悩むことだらけなわけですから。

 だから、悩んだり迷ったりしているのは正常なんです。悩みながら「ああ、これでいいんだ。これが正常なんだ」と思えるようになったら、どんな時でも笑顔になれる。

 前向きに考えてみようと思えばいい。僕はそう考えています。

 もう一つ、僕の経験から言うと、良いデザインを世の中に提供している会社は、良い組織になっているように感じます。さらに踏み込んで言うと、組織が汚い会社というのは、デザインも汚いケースが多いようです。

 そういう意味でも、ほぼ日の組織図はとてもシンプルで分かりやすい。組織図がきれいな会社は健全で良い状態だと思うし、きっと糸井さんはそのあたりのこともよく分かっているのだと思うのです。