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「まじめ」と「楽しい」は同居できる

ほぼ日は「やさしく、つよく、おもしろく。」と掲げていますが、普通の企業では「おもしろく」「楽しく」とか「文化」といったことと、「仕事」の間にまだまだ距離があります。

佐藤:極端に言うと、「楽しんで働いてはいけない」というムードがありますよね。笑顔で仕事をしていると、「ふざけているのでは?」「ふまじめだ」と思われるような感覚は、いまだにあると思います。

 ただ本来、「まじめ」と「楽しい」は同居できるものです。僕は、「まじめに働くために楽しんじゃいけない」といったムードが大嫌いです(笑)。

 仕事の話をする時には眉間にシワを寄せて話さなければいけないと考えている人もいますが、なぜそんなに難しい表情をしなくてはいけないのか。僕には全く分かりません。難しい顔でいると、何かエネルギーがシュリンクしていくような気持ちになるのです。

 それよりも、「まじめに楽しく」働く方がエネルギーが広がって、大きなパワーになる。そう考えています。

そういう仕事の方が、いい成果を出せるということですか。

佐藤:確かな裏づけがあるわけではありませんが、僕の経験を振り返ると、楽しくできた仕事の方が、うまくいっている確率が圧倒的に高いですね。

 大きな企業と一緒に手掛けた大量生産品で、今でもその業界で最も売れている商品もあります。それらはどれも、担当チームと本質的な話ができて、楽しくやれた仕事ばかりです。

 そういうものには、何かのエネルギーが宿るのかもしれません。そしてそれが、きちんと人に届いていく。まじめに楽しくつくったもののエネルギーはしっかりと伝わっているのだなとも思います。「気が入っている」という言い方をしますが、まさにそういうことなんです。