全3260文字

「何がおもしろいか」を掘り下げる

佐藤:糸井さんは、結果としてみんなが「何かおもしろいことはないか」と考えて、見たこともないようなおもしろいことが生まれてくるのを待っています。そして、そういうことがあると「おもしろいよ、やってみよう」となっていく。そんなミーティングが多いのです。

 実は僕も全く同じなのですが、糸井さんは人が既に並んでいる場所には並ばないような気がします。どこか少しだけいい意味であまのじゃくなのかもしれませんが(笑)、やみくもには並ばない。つまり「みんなが行くから」という理由で、そこに行くことはないのです。

 なぜ並ばなくてはならないのかということが分からないと、絶対に並ばない。その代わりに、自分がおもしろがれるものを探すわけです。そしておもしろいものを見つけて、それをみんなに伝えようとする。

 みんながまだ気づいていないけれど、「ほら、こっちにもっとおもしろいものがあるよ」と教えたくなるのでしょうね。

ただ、それがひとりよがりになってしまうと、集まった人は「何だ、損した」となりますよね。

佐藤:だからそこには、何らかの社会や時代との関わりが必要になるわけです。

 「なぜおもしろいのか」がしっかりと掘り下げられていないと、単なる打ち上げ花火で終わってしまうし、他人の信用を得ることもできません。

 糸井さんは、「なぜ」という問題意識について、ものすごく深く多面的に考えている。そして、それを社員にも実践してほしいと思っている。それがほぼ日の強みではないでしょうか。(後編に続く)