働き方改革がおもしろい気持ちを削ぐ?

「おもしろいこと」は、誰でもやりたいと思う一方、それを自分の仕事と結びつけられない人も多いと思います。

佐藤:おもしろくてしょうがない時って、仕事だという意識さえなくなると思います。「やらされている」という気持ちが全くなくて、「やりたくてやっている」状態になるからです。そして、そういう時はすごい力が出たりするわけです。

そういう意味では、昨今の「働き方改革」は逆の方向に進んでいるような気がします。

佐藤:全くその通りだと思います。もちろん一概には言えませんが、おもしろくてどんどんやりたいという人の気持ちを削いでしまうのはもったいない。そちらの方向ばかりに行ってしまうと、国力が減退することにもなりかねないと思っているくらいです。

 本当は会社というのは、あまり仕事をしたくない人はそれなりに、おもしろくてどんどん仕事をしたい人は、そうできる環境をつくってあげればいいと思っていて、糸井さんはそのあたりも十分意識して組織をつくっていると感じます。

 世の中の仕事には、すぐに役に立たなければいけないものもあるけれど、すぐには役に立たないかもしれない仕事をコツコツと続けることが、実はとても重要です。例えばサイエンスの世界の研究者は、まさにそうだと思うのです。

 もしかすると十年後、百年後に役に立つかもしれないことを、ずっと研究している。そういった人のおかげで、後の世が良くなったということは、たくさんあると思います。

そういうことに気づいている会社の中には、何でもいいから新しいことを探して、アイデアを出したり自由に動いたりできる部署をつくっているところもありますね。

佐藤:好奇心で動いている人、おもしろがっている人は大事です。そして企業も、そこを大切にしていかないと、長い目で見た時にダメになっていく。経営者がそれを分かっていることが重要なのだと思います。

 ほぼ日はその点においても、長い目で見て人を育ててきている。それがとても頼もしく、すごいところだと関心しています。(中編に続く)