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やさしくて、鋭い。それが糸井さんだ

経営者としての糸井さんを、どう見ていますか。

岡藤:やさしい方ですが、凡人とは違って、ものすごく鋭いものを持っていると思います。話をしていても、一歩踏み込んだ深いところで、言葉の一つひとつの意味を考えて使っている。それが伝わってきて、迂闊にしゃべれへんと思うこともあります(笑)。

 しかもそれが、寡黙でじっくりというタイプではないし、難しい単語を並べるわけでもなく、分かりやすい単語ばかりで流れるように話される。とにかく言葉を大事にしていて、特にひらがなの力がすごい。そこはもう天才的だと思います。

 「やさしく、つよく、おもしろく。」とひらがなで表現しているのにも驚かされました。誰でも知っている言葉を、会社の精神みたいなところで、ぱっと使っているのはすごいですね。

 ほぼ日は現在、手帳がビジネスの柱になっているようです。僕は「無印良品」が登場した時、ものすごく衝撃を受けました。糸井さんならきっと、ああいうことができるだろうし、やって欲しいと密かに思ってもいます。

 あるコンセプトにもとづいて、こだわったものを見つけ、つくり、店に出して売っていく。あまり大きくし過ぎないようにして、熱狂的なファンがつけば、業界に一石を投じる存在になると思います。

 現在のほぼ日は、上場してから3年弱で、会社としては「創成期」と言ってもいいと思います。

 これから、糸井さんが考えている以上のものが社員から出てきて、世の中に受け入れられていくのが望ましいのですが、恐らくこれは容易ではありません。ただきっと、糸井さんのことですから、どうしたらそうなっていくのかを、既に考えているに違いないとも思っています。