全2706文字

契約書を作り、確定日付を取る

 

 Hさんのような失敗を繰り返さないためには、当事者間で「贈与契約書」を作成しておくといい。

 贈与の内容を書面化したうえで日付を入れ、贈る側と贈られる側それぞれが署名して実印を押す。さらにその契約書を最寄りの公証人役場へ持っていき、「確定日付」を取っておくのだ。費用は700円程度しかかからない。

 贈与は、贈る側の口座から、贈られる側の普段使いの口座へ、送金する形で行いたい。そうすれば、互いの口座に資金移動の記録も残る。通帳や印鑑、キャッシュカードなどは当然、贈られる側が管理する。

 贈与の証明として「お金は口座に置いたままではなく、もらった人の意思で多少なりとも運用したり費消(支出)したりする」ことを勧める税理士もいる。

 こうした手続きを面倒と感じるなら、信託銀行の「暦年贈与信託」を利用する手もある。当座預金口座を利用し、贈られる側との書面のやり取りなどもすべて信託銀行に任せられる。信託銀行を介すことで国税の“否認リスク”はかなり低下するが、それでも絶対ということはない。

あえて申告、贈与税を払う

 

 そこで税理士が安全策の一つとして提案するのは、「あえて110万円を超える金額を贈与して申告を行い、贈与税を払っておく」方法だ。

 例えば115万円を贈与すると、非課税枠を超えた5万円分に10%の贈与税がかかるが、5000円の税金を納付しておけば贈与の“公的な証拠”が残る(ただし、贈与税の申告書は贈られた側が作成し、納付書の控えと一緒に保管しておくことが肝要だ)。

「扶養」で気をつけることは? 医療費控除の対象となるものは? 相続税を大幅に減らせる特例とは? 読むだけでマネーセンスがアップする、会社員必読の節税のヒントが満載!

≪目次≫
【第1章】本当にお得? 扶養や年金繰り下げ受給の落とし穴
年末調整の結果バレた娘の秘密のバイト収入
新・パート収入「150万円の壁」に振り回されるな!
「年金の繰り下げ受給がお得」にならない人もいる
【第2章】誰でもできる “税金をミニマム化する"制度活用法
"申告漏れ"はもったいない医療費控除の大いなる誤解
還元率は下がっても高所得者ほどやるべき「ふるさと納税」
稼いでも税金で持っていかれる「仮想通貨」課税の仕組み
【第3章】どうする? 相次ぐ税制改正が会社員の懐を直撃!
増税のターゲットになった「中高所得」会社員受難の時
もはや50代は“貯め時"ではない「年収1000万円破産」が急増! ?
特例解除の「2022年問題」で都心の土地が大暴落する?
【第4章】搾取額が大きい“相続迷宮"を抜け出すヒント
相続の命運を握る土地評価額8割カットの特例
暦年贈与、賃貸アパート経営 失敗しやすい相続対策
8割の人が追徴税を払う憂き目に! “本当に怖い"税務調査
払ってしまった相続税から「1億円」を取り戻せた理由