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 給与や賞与の額が増えても、それを上回るペースで税金や社会保険料の額が引き上げられていたら、可処分所得は当然、減る。加えて、2019年には「消費税10%」、2020年には「会社員給与所得控除の改正」と、会社員いじめの“増税ラッシュ”が続く。そんな“取られっぱなし”の状態を放っておいていいのだろうか。

 この連載では、会社員が所得税や相続税といった「税負担」を減らすための“ツボ”と、策を講じて失敗しやすい“ドツボ”を、具体的な事例を交えて分かりやすく紹介する。

 今回は医療費控除に関係する「セルフメディケーション税制」などを解説する。

(【監修】税理士法人ティータックスパートナーズ
/青山人事コンサルティング株式会社 佐藤 純)


前回「“申告漏れ”はもったいない医療費控除の誤解」からの続き

医療費控除の申告は、大幅に簡略化されている

 医療費控除の申告は厄介だと記憶している人が多いかもしれないが、実のところ、それほど煩雑ではない。2017年分の確定申告からは、会社員の医療費控除の申告が大きく簡略化されたからだ。

 それまでは病院や薬局で発行される領収証やレシートをすべて申告書に添付する必要があったが、病院や薬局ごとに支払った医療費をまとめた明細書を提出すればいいことになった。

 さらにその明細書も、健康保険から配布される「医療費のお知らせ」で代用できるようになっている(2019年分の確定申告までは経過措置として、これまでの方法でも受け付ける)。

市販薬も「スイッチOTC医薬品」なら控除対象に

 

 市販薬をよく利用する家庭なら注目したいのが、2017年から導入された「セルフメディケーション税制」だ。年間に総額で1万2000円を超える「スイッチOTC医薬品」を購入した場合は、申告することで超えた分を所得から差し引いてもらえる。

「スイッチOTC医薬品」とは、従来は医師の処方箋が必要だったが、現在は一般薬となりドラッグストアなどで気軽に購入できるようになった医薬品のことを指す。薬効や用途ではなく「有効成分」によって決められ、現在は鎮痛剤、胃腸薬、便秘薬、風邪薬、鼻炎薬、点眼薬、水虫薬、皮膚薬、肩凝り薬など約1600のアイテムが指定されている(詳細は厚生労働省のウェブサイトで確認できる)。