仲介に関わる仕事もなくなっていく

証明書を発行したりするお役所仕事もなくなります。公務員の仕事も減るでしょうね。

 こうしたブロックチェーン技術の応用は「スマートコントラクト(契約の自動化 注1)」と呼ばれています。この技術を活用することで、多くの仕事や業務の自動化が期待されます。

(注1 複数の当事者間の契約をあらかじめプログラムで、ブロックチェーン上に記述しておくことにより、所定の条件が満たされた場合、業務手続を自動的に行う技術。)

 スマートコントラクトによってなくなる仕事はまだありますよ。冒頭申し上げた少額決済に関連していえば、安価で迅速な送金技術が確立するので、銀行などの金融機関が一手に握っていた業務もなくなります。

 サービスの提供者と利用者とのマッチングも直接取引で成立するようになります。したがってライドシェアや民泊などといった、サービスの提供者と利用者をつなぐことで手数料をもらうシェアリングサービス提供会社も、影響を受けるでしょう。

 同様に、商品の売り手と買い手を簡単につなぐこともできるようになりますから、アマゾン・ドットコムや楽天といったネット通販業者の代わりを担うこともできます。消費者が欲しい商品の条件を入力しておけば、条件に合致した商品を持つ企業や個人も簡単に探せます。双方が合意すれば、商品の配送、代金の支払いも自動的に執行されます。

いわゆる「大企業」と呼ばれるところもその存在意義が問われるのでしょうね。

野口:インターネットの世界では、「何が正しいのか」「何が本当なのか」確かめることが難しい点が問題でした。そのため、小組織や個人が信頼を確立しづらかったのです。結果、インターネットは誰もが情報を発信できるプラットフォームでありながら、大企業や大きな組織が力を持ちやすい構造がうまれていました。大きな組織であることが、ブランドなり、信頼を確立していました。

 しかし、ブロックチェーン技術は、組織に頼らずとも、何が正しいのかを立証することを可能にしました。それにより、個人の力が発揮できる社会が実現するのではないでしょうか。

 私は、スマートコントラクトの拡大は、フリーランスの台頭につながると考えています。不要になる仕事が出てくる一方、フリーランス向けの仕事は増える可能性が高いといえましょう。

 スマートコントラクトを使えば、仕事の受発注はしやすくなります。労働力の売り手と買い手が直接契約するわけですから。スキルがあれば仕事を獲得できるチャンスが広がりますし、自分で起業もしやすくなります。

正社員で働くことが安泰とはかならずしも言えない時代も、もうそこまで来ているのかもしれませんね