海外で先行していたICOだが、日本勢も負けていない。仮想通貨取引所を運営するQUOINE(コイン、東京・千代田)は、機関投資家向けプラットフォームの開発などに使う資金として約150億円を調達。同じく取引所を運営するテックビューロ(大阪市)もICO支援サービス「COMSA(コムサ)」のシステム開発向けに106億円を集めた。10月24日にはGMOインターネットがICOを検討していると発表。同社は今後展開するビットコインマイニング事業の中でマイニングを行うための高性能コンピューターの販売を計画している。ICOで発行するトークンはそのコンピューターの購入に使えるようにする方針だ。

 日本でもこれだけ大きな案件が動き出し、資金調達の新手法として関心が高まる中、10月27日に金融庁がICOについて注意喚起の文書を公表した。その中では「トークンの価格下落の可能性」や「ICO案件自体が詐欺である可能性」もあることを挙げた上で、トークンの購入は自己責任で行う必要があると警告している。トークンは株式と同じように、プロジェクトの進捗が遅れればそれを嫌気して価格が下がりやすい。企業が経営破綻に陥れば価値がゼロになることもあるが、これらは自然なことだ。

期待先行のままだとICOは自然消滅

 問題は後者の詐欺や詐欺まがいである場合だ。極端な言い方をすれば、計画を書いたホワイトペーパーという紙1枚があれば誰でもICOでお金を集めることができる。それゆえに、お金だけを集めて姿をくらませてしまうケースが発生している。米国では10月上旬に米証券取引委員会(SEC)があるICO案件を詐欺として告発した。容疑者は不動産やダイヤモンドを担保としたトークンを発行するとしていたが、実際にはそのような裏付けもなければトークンも存在しなかった。