普通に暮らしている人が困っていることは何か
これに対して、MUJIは正規分布の中央にいる人々を対象にオブザベーションを行っている。MUJIの場合は、大衆(マス)を対象とした商品開発であるため、普通に暮らしている人が困っていることは何かということを徹底的に観察している。たとえば、日々の暮らしの中で、使うものが整理できていない人は多い。そういう家を観察して、引き出しの中を整理するためのいい道具がないか、などと考えていく。

大衆の普通の生活を見つけ出すためには、ありのままを見せてもらうことが大切だ。そこでMUJIでは、社員の家族にオブザベーションを頼む。外部の人にオブザベーションをお願いすると、家の中を片づけてしまうからだ。身内に普段の生活をさらけ出してもらうことによって、オブザベーションをより発見の多いものにしている。
MUJIは、平均的な大衆の暮らしをよく観察することで、生活者の不満を解消するための商品を生み出している。

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