良品計画は2019年、東京・銀座に「MUJI HOTEL」(仮称)を開く。「無印良品」の新たな旗艦店に併設するが、ホテルの経営そのものは手掛けない。良品計画がコンセプトを策定し、内装デザインや家具提供を手掛ける。無印良品の創業者である堤清二氏も、無印のコンセプトによるホテルの開業を構想していた経緯がある。

 堤氏は2013年に他界しており、11月25日に命日を迎える。良品計画の金井政明会長に、堤氏との思い出や、ホテル開業の真意を聞いた。

1976年、西友ストアー長野入社、93年良品計画入社、2000年取締役、08年社長、15年会長。生活雑貨など商品開発で90年代から良品計画の成長を支えた(撮影:村田 和聡)

堤氏は手掛けた多くの事業の中でも、無印良品への関心が晩年まで高かったようですね。

金井政明会長(以下、金井):創業時の思想からぶれずになんとかやっていると評価していただいていましたが、いつもひやひやしながら、みていたようですね。決算が終わるたびに堤さんに、状況を報告していましたが、そうしたニュアンスのことをおっしゃるときがありました。

バブルに向かっていた1980年に、消費社会や高級ファッションへのアンチテーゼという堤氏の思想からスタートしたのが無印良品です。ファッション性の高い商品を無印良品が手掛けるようになってはいけないと、晩年も心配していたそうですね。

金井:心配していましたね。ファッションの領域に入ってしまうと、無印良品ではなくなってしまうと。化粧品についても、もともと堤さんは販売することにあまり賛同していませんでした。

 化粧品には1990年代後半に参入したのですが、当時、生活雑貨の責任者だった私が、開発前に説明に行ったところ、堤さんから宿題を出されて、それからまた行って、やっと発売を認められたという経緯があります。大変、勉強になりました。いまでは化粧品はすごく大きな商品分野に育っています。