米国でもびっくりの“マント人気”

意外です。マーベルのアクション映画は男性メインのイメージでした。

井原:全体的に見ればアクション色が強いですが、「ドクター・ストレンジ」はラブロマンスの要素も豊富です。ドクター・ストレンジが唯一心を許している女性とのロマンスがしっかりと描かれていて、女性も映画の世界にすっと入り込んでいける。

 女性にラブ要素は欠かせないですからね。一度、けんか別れして、再会を果たすシーンなど、感情移入できるポイントがいろいろと用意されていて、自分の経験と重なるという人も多いのではないでしょうか。

 あと、調査の結果、女性に意外な人気だったのが、ドクター・ストレンジが身につけている“マント”でした。

試写を見ましたが、あの“マント”には存在感がありましたね。

井原:マントが重要なキャラクターになるっていうのは、おもしろい発想ですよね。ネタバレになるから、詳しくは話せませんが、映画ではこのマントが大活躍します。

 ちなみに、米国では、マントは全然話題になっていないそうです(笑)。試写会でのリサーチ結果を米国本社に送ったら、「えっ?そこ?マント?」ってびっくりされました。

ただ、現時点では、ドクター・ストレンジの日本での知名度は極めて低いかと思います。新しいキャラクターを売り出すために、どのようなマーケティングを考えていますか?

井原:新しいキャラクターを展開する際の黄金のルールや、早道というものはまったく存在しません。どんな場合でも、名前を憶えてもらえるよう、地道にプロモートしていくしかないんです。

 手がかかる作業になりますが、ありがたいことに、ドクター・ストレンジはとてもキャラクターが立っている。しかも、先に話しましたように、一般的な人が修行をして自分の内なる力に目覚めていくというストーリー展開なので、共感を得られやすいのも有利だと考えています。

マーベルの中でも、ロボットやギアなどを使わず、内なる力である魔術を使って敵と戦うという点で、ドクター・ストレンジは特徴的ですね。

井原:その点では、かなり日本人好みだと思いますよ。映画の中で、ドクター・ストレンジは過酷な修行を積んでいきますが、その修行の内容が、肉体を物理的に鍛えていくのではなく、心の目を養っていくという東洋的な要素が強い。

 最新のテクノロジーを駆使し、自ら開発したギアを使って敵と戦う西洋的なアイアンマンなどとは異なり、マーベルの中でも日本人的なキャラクターだと感じます。また、魔術というファンタジー的な要素は、女性を引き付ける大きな要因になると期待しています。

確かに。初めて見るキャラなのに親しみを感じたのは、東洋的だからかもしれません。