ウォーミング・アップに最適な動的ストレッチ

 40~50代のビジネスパーソンであれば、年式を重ねた車と同じ。60~70年代に作られた車種を想像すれば分かるはずだ。通常走行であれば普通に走れるとは言え、いきなりエンジン全開で動かせば、細部の部品にかかる負担が大きくなり、故障や破損の原因になることもある。人の体もこれと同じだ。車のアイドリングのように、運動前には動的ストレッチでウォーミング・アップを行い、筋肉や関節、そして心臓に刺激を入れなければいけない

 「それは運動の前だけに言えることではありません。朝、ベッドから起き上がって仕事を始めるまでの間、十分に血液の巡りを良くして脳に酸素や栄養素が行くようにすると、仕事の作業効率がかなり上がるはずです。また、パソコンに向かい長時間同じ姿勢で仕事をして、肩にこりを感じ出した時は、肩甲骨周辺から首にかけての筋肉が伸びて固まっています。その筋肉を静的ストレッチで伸ばしたところで、肩こりを軽減することはできません。そこで必要になってくるのが、動的ストレッチです」(中野さん)

 サッカーに興味がある読者であれば、選手たちが試合前のグラウンドで、隊列を組んで軽くジョギングやステップを踏みながら、大きく肩を回したり、股関節を旋回させたりする“ブラジル体操”というものを見たことはないだろうか。これも動的ストレッチの一種で、心拍数を上げて血流を良くし、関節の可動域を広げるために行っているのだ。

 今回は、中野さん自らが実演してくれた、自宅やオフィスでできる3~4分程度の動的ストレッチを紹介する。また、このメソッドには、下半身の筋力を高めるエクササイズも入っているので、ぜひ一度、試してほしい。

 これらの動的ストレッチには、肩回し、膝の曲げ伸ばし、脚の筋肉強化といった3つの動きの要素が含まれている。最初の練習の時には、それぞれ単独で練習してもいい。ただ、連続して行うことによって効果が最大限に発揮されるので、慣れてきたら続けてできるように挑戦してみよう

 仕事の前に行えば、作業効率が上がり、長時間同じ姿勢で筋肉がこわばったようであれば、柔軟性を取り戻して、体がずっと楽になるはずだ。

自宅やオフィスでできる3~4分程度の動的ストレッチ
(1)椅子に座ったまま、肩甲骨が動くことを意識して肩を大きく回す。(2)腕を大きく回しながら、膝の曲げ伸ばしを繰り返す。脚の大きな筋肉を使うので、血流が良くなる。(3)脚の筋力を強化する。足を大きく前に踏み込み、体を沈みこませることを交互に繰り返す(フロントランジ)。続いて、足を横に大きく踏み込み、体を沈みこませることを交互に繰り返す(サイドランジ)。腕の動きを加えることで、肩周りの筋肉が柔軟になる。