「こうした事実に鑑みると、この先10年でさらに生活が便利になり、活動量が減り、筋力がさらに低下することが考えられます。そうなると、将来的に待っているのは、ロコモティブシンドロームということになります」(中野さん)

 前回、生活習慣を変えるだけでも、ある程度は負荷がかかり、筋肉への刺激になるという話をした(参考「「片足で靴下履き」筋トレにもなる4つの習慣」)。しかし中野さんは、「いろいろなデータを見ていると、生活習慣を変えるだけでは足りず、やはり運動習慣が必要になってきます」と警鐘を鳴らす。

ロコモ予備軍まで含めると全国に4700万人とも

 筋力が弱れば、関節が支えられなくなり、動作も遅くなる。それが原因で転倒してしまい、骨折などによる長期入院が重なれば、活動する時間が短くなり、さらに筋力が衰えるという悪循環に陥る。代謝も落ちて、確実にロコモへの道を突き進んでいく。

 これは現在40代の人にも当てはまる。文部科学省の「平成21年度新体力テスト調査」によると、現在の40代以上の男女5人に4人が、すでにロコモであるか、その予備軍であると言われている。また、ロコモの人は予備軍まで含めると日本全国で4700万はいるという推計もある(*1)。「まだ、大丈夫」と過信してはいられないのだ。

*1 東京大学22世紀医療センター特任准教授の吉村典子さんによる、和歌山県における2000人のレントゲン撮影、および骨密度検査から導き出された推計。J Bone Miner Metab.(2009; 27(5):620-8.

 「5人中4人がロコモ、もしくはその予備軍と言われても、自分は残りの1人だと思っている人も多いと思います。しかし、次の質問のうち、どれかに当てはまるということはありませんか?」(中野さん)

ロコモのチェックリスト

  • 1. ここ5年以上、運動らしい運動をしていない
  • 2. 生活のなかで階段よりもエスカレーターやエレベーターを優先して使っている
  • 3. 40歳を過ぎてから転倒して脚や手を骨折したことがある
  • 4. 脚のむくみが気になる
  • 5. ジーンズをはいたときに脚が細くなったと感じる
  • 6. ほぼ毎日、車で通勤している
  • 7. 最近、脚がつりやすくなった
  • 8. 階段を下りるときに膝に痛みや違和感がある

 「このなかのどれか1つでも該当するのであれば、下半身の筋肉群を鍛え直して改善したほうがいいでしょう」(中野さん)