青学駅伝チームの選手に気付かされた“オフの捉え方”

 どうすれば超多忙なビジネスパーソンでも運動の時間を確保できるのか。それには、運動の時間をスムーズに組み込めるよう、自分の生活サイクルに対する意識を変える必要がある。青山学院大学の駅伝チームのフィジカルトレーナーとしても活躍する中野さんは、選手たちのスケジュールからそのヒントを得たという。

 「青学駅伝チームなどアスリートの合宿では、練習予定が宿舎の壁に張り出されます。夏合宿だと、朝練が5時半から7時、午前練は10時から12時、そして午後練が14時から17時という3部構成になることが多いです。でも、毎日3回のトレーニングを行うのではなく、例えば、火曜日は午前練がオフ、木曜は午後練オフと練習がない時間帯ができるのです。すると選手たちは大喜びして、合宿地の近くの滝に出かけようとか、美味しいアイスクリームを食べに行こうと相談して大盛り上がりします。その様子を見て、“毎日ハードなトレーニングをこなしている彼らにとっては、たった2~3時間の練習がないだけでオフだと思えるんだ”という驚きを感じました。それから私自身のオフ、休みに対する考え方が変わったんです」(中野さん)

 それまでの中野さんは、丸一日休みがなければ、“オフ日”という認識がなかったという。そのあたりの気持ちは、我々一般人も同じだろう。例えば土曜日、2~3時間で終わる持ち帰り仕事を自宅でやれば、「あぁ、今日も一日仕事だったなぁ」という気分になるのではないだろうか。

 「週末、日中には何も用事がなくても、夕方から打ち合わせが入っていれば“今日も仕事だ”という捉え方をしていました。でも、合宿中の選手の姿を見てからは、“よし、打ち合わせは17時スタートだから、16時までは自分のオフタイムだ、何をしようか!”と意識を変えられるようになったのです」(中野さん)

 休日に持ち帰りの仕事があっても、「土曜日なのに仕事か…」と考えるより、「3時間で終わるから、あとはオフだ!」とポジティブに考えることで、休日にも運動しようという気持ちががぜん高まってくるという。