目標心拍数は「カルボーネン法」で計算

 最大心拍数というのは、運動量を増やしていったときの1分間の拍動数の限界値。『220-年齢』という式で目安が求められる。例えば40歳であれば220-40で180拍/分となる。しかし、最大心拍数の55%は、180×0.55=99ではない。“安静時心拍数”という数値を知っておく必要があるのだ。

 「目標心拍数は“(最大心拍数-安静時心拍数)×0.55+安静時心拍数”という、カルボーネン法という公式で求めます。安静時心拍数は、起床時に布団やベッドに座ったまま計測してください。手首に指を当て、脈拍数を30秒測って2倍するという方法でいいでしょう。これが仮に70だったとします。そして目標心拍数が最大心拍数の55%であれば、(180-70)×0.55+70=130.5、小数点以下はカットしていいですから、1分間の心拍数が130程度になるような運動を行うと、アクティブリカバリーに有効です」(中野さん)

 心拍計付きのスポーツウォッチや活動量計があれば便利だが、持っていなければ体感で“少し息が弾む程度”を目安にすればいい。そして20~30分行うのが理想だ。

 「今の多くの人たちの活動量のレベルからすると、できれば毎日やってほしいですね。疲労回復に加えて、体力の回復や維持にもつながりますから。青学駅伝チームのたいていの選手たちは、完全オフの日でも軽いジョギングなどを入れてアクティブリカバリーをやっています。時間がなければ週末にやってみて、“なんだか体がスッキリするな”という感覚が出てきたら、2~3日に1回やるだけでもいいでしょう」(中野さん)

 なかには運動をしたほうがいいことが分かっていても、どうしても時間が取れない人もいるだろう。また、雨などの悪天候で、外で運動できない日もある。そんな場合のために今回は、階段や段差を使って室内でもできる、中野さん直伝のアクティブリカバリーの方法を紹介しよう。

 階段一段分の段差があればできる、アクティブリカバリー・エクササイズが“ステップ・エクササイズ”だ。心拍数を上げることができるうえ、ジョギングよりも膝への負担が少ない。中野さん本人の実演と解説動画を掲載するので、ぜひとも参考にしてほしい。

どうしても運動の時間が取れない人や、雨などの悪天候の場合は、階段や段差を使って室内でもできるアクティブリカバリーがお勧めだ。心拍数を上げることができるうえ、ジョギングよりも膝への負担が少ない。


中野ジェームズ修一(なかの ジェームズ しゅういち)さん
フィジカルトレーナー/米国スポーツ医学会認定運動生理学士
中野ジェームズ修一(なかの ジェームズ しゅういち)さん 1971年生まれ。日本では数少ない肉体面と精神面の両方を指導できるトレーナー。卓球の福原愛選手など日本のトップアスリートだけでなく、高齢の方の運動指導も行う「パーソナルトレーナー」として活躍。日本各地での講演も精力的に行っている。近著に「青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ」(徳間書店)、「世界一やせる走り方」(サンマーク出版)など多数。