国立新美術館で開催中の展覧会が大盛況の安藤忠雄氏(会期は12月18日まで)。関係者50人のインタビューの中から、仕事や社会活動に役立ちそうな安藤氏の言葉をいくつかのテーマで紹介していく。2回目は「学ぶ」がテーマだ。

安藤忠雄氏(写真:生田 将人)

 前回書いたように、安藤氏は独学で建築の技術や法規を身につけた。「学ぶ姿勢が並大抵ではない」と取材した多くの人が口にした。その貪欲に学ぶ姿勢は、まわりの人間にも影響を与えている。

豊田郁美(とよだ・いくみ)ARTISAN代表。1953年山口県生まれ。鹿島入社、中国支店建築工事部長などを経て2014年ARTISANを設立。ベネッセアートサイト直島では「ベネッセハウスオーバル」(95年)、「地中美術館」(2004年)、「ベネッセハウスビーチ」、「ベネッセハウスパーク」(06年)、「李禹煥美術館」(10年)の安藤建築などを担当した

 香川県直島の一連の安藤建築で長く現場所長を務めた豊田郁美氏は、安藤氏のこの言葉で人生が変わった。

「自ら模型をつくりなさい」

 1992年に竣工した「ベネッセハウスミュージアム」で、初めて安藤建築の施工に携わった際に、安藤氏から掛けられた言葉だ。既に現場でそれなりの立場にあった人間に、「模型をつくれ」とはどういう意図なのか──。